ブックレビュー

少女庭国

空恐ろしい小説を読んでしまったので、久しぶりのブログ更新。 〔少女庭国〕 (ハヤカワSFシリーズJコレクション) 作者: 矢部嵩 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2014/03/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (17件) を見る 『少女庭国』と題された…

「本当の自分」という幻想

今更ながら平野啓一郎の『私とは何か』を読んだ。今更ながら、というのは、この本は2012年9月に出版されていて、当初から個人的に非常に興味のあるテーマについて書かれていることを知っていたのだが、長らく読めずじまいだったのだ。 主な理由は「すっかり…

失われたリアリティと作家の功罪

小林泰三の『失われた過去と未来の犯罪』を読んだ。 タイトルからタイムトラベルものかなと期待して粗筋を読んだのだけど、どうも人間の記憶に関する話らしい。特に凝っているわけでもないのだが、最近は人間の精神や人格に関する本をたまたま続けて読んでい…

ぼぎわんが、来る

ぼぎわんが、来る (角川書店単行本) 作者: 澤村伊智 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2015/10/30 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る またホラーか、と思われそうだが、つい先日ハロウィンだったということで(?)ご容赦願いたい…

盤上の夜

私は麻雀以外にも将棋やオセロといったボードゲームも時折ネットでプレイするのだが、これがまぁ中々勝てせてもらえない。ボードゲームというのはTVゲームと違って、いくら自分の頭を捻って考え練習したところで、そうメキメキ強くなれるものではない。まず…

淵の王

久々にブログ更新。はてなブログの今週のお題「ゾクッとする話」だそうなので、最近出たゾクッとする小説『淵の王』(著:舞城王太郎)の感想を。 淵の王 作者: 舞城王太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/05/29 メディア: 単行本 この商品を含むブロ…

悪意と狂気 ――米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』

誰が言っていたか忘れたのだが、人間の狂気を描けるのは正気で計算高い人間だそうだ。誰が言ったか分からない言葉に同意しても仕方ないのだけれど、その通りだと思う。口の端から泡を吹きながら支離滅裂な言葉を口走り、自身の損傷さえも顧みずに不可解な動…

魔性の遊戯

人生を麻雀に例えたがる麻雀打ちは少なくない。縮図とまでは言わないまでも確かに似通う所があるし、少なくとも人生ゲームよりは人生を表しているように思える。 麻雀で最初に各プレイヤー配られる13枚の牌のことを配牌という。この配牌の良し悪しは完全に運…